台風「非常に強い勢力」で上陸…統計史上4回目
非常に強い台風24号は30日午後8時頃、和歌山県田辺市付近に上陸した。激しい風雨により、1人が行方不明、1人が意識不明になったほか、多くのけが人が出ている。JR東日本は、首都圏の在来線全線で午後8時から順次、運転を取りやめるなど、各地で交通機関がマヒした。台風は強い勢力を維持したまま1日朝にかけて本州を縦断する見通しで、気象庁は厳重な警戒を呼びかけた。
気象庁によると、「非常に強い勢力(風速44メートル以上54メートル未満)」で上陸するのは、25年ぶりの記録となった先月4日の台風21号以来で、統計の残る1991年以降では4回目。
台風24号は上陸後、勢力が「非常に強い」から「強い」となり、30日午後11時現在、名古屋市付近を時速60キロで北東に進んでいる。中心気圧は965ヘクト・パスカル、中心付近の最大風速は40メートル。1日午後には北海道の東へ抜け、温帯低気圧に変わるとみられる。
この台風により、鹿児島県十島村で54・6メートル、宮崎県西都市で41・3メートルなど各地で最大瞬間風速が観測史上1位を更新した。また、広い範囲で雨も激しく降り、宮崎県高鍋町96ミリ、愛媛県新居浜市73・5ミリ、三重県尾鷲市64・5ミリなどの1時間雨量を観測した。
鳥取県警によると、同県琴浦町では、台風の影響で陥没した農道から車が約50メートルの崖下に転落し、乗っていた50歳代くらいの男性が意識不明の状態となった。宮崎市高岡町では30日午前9時頃、60歳代の女性が用水路に流され、行方不明になった。このほか、読売新聞の午後9時現在のまとめで、沖縄、鹿児島、大阪などの各府県で計80人が負傷している。
読売オンラインより