大雪でカーポートが壊れてしまったら?

大雪でカーポートが壊れてしまったら?

最近は、巨大台風や急な豪雪が増えていますので、カーポートにかかる負担も大きくなっています。今回は、カーポートと火災保険の活用について説明します。

 

カーポートとは

 

カーポートを設置することで、愛車を雨や雪、強い日差しといった自然現象はもちろん、黄砂や鳥の排泄物などの汚れからも守ることができます。そして、車の乗降時の雨除けとしても利用できます。丈夫なカーポートであれば、大雪が降っても車は影響を受けません。しかし、カーポートを設置することで場所を取ってしまうこと、コストがかかることというデメリットがあります。また、想定外の自然災害が起こった時には倒壊・破壊のリスクもあります。

 

自然災害に強いカーポートの特徴は?

 

では、倒壊・破壊のリスクが低いカーポートはあるのでしょうか。まず、カーポートを設置する際に決めなければいけないのは、どのような形状のカーポートを設置するのかです。メーカーが既製品として販売しているカーポートは、車1~4台用というのが一般的で、一番需要があるのは車2台分の駐車スペースを覆うことができる「2カーポート」と呼ばれるものです。それぞれ

特徴を見ていきましょう。

 

●並列駐車用

車を横並びに駐車する場所に設置するカーポートは、ドアの開閉時のスペースを考慮して、できる限り間口が広いものをセレクトしましょう。並列駐車用のカーポートは、屋根の両端に柱が建つことが多いので、どこに柱が立つのかを事前に確認しておかなければ、車の乗降時にドアが柱に当たることになってしまうので注意が必要です。

 

●縦列駐車用

縦並びに駐車する場所向けのカーポートは、奥行が長く横幅が狭い形状をしているので、スペースの有効活用がしやすいです。狭い敷地にも設置ができるのでメリットですが、1台用のカーポートを前後に設置するような形になることから、屋根を支える柱が片側に集中するという注意点が存在します。柱が片側に集中することで、柱側のドアの開閉がしにくくなり、雨の吹き込みにより車の乗降時に濡れてしまうこともあります。

 

強度が高いカーポートは倒壊リスクが低い

 

では、台風や大雪など自然災害に強いカーポートとはどのようなものかというと、柱が片側に固まっている製品よりも、4本柱のカーポートの方が倒壊リスクは低く安定感がアップします。

4本柱のカーポートの中でも、ドーム型の形状が特徴的なアール型カーポートは、雪が下に落ちやすい構造のため、雪がカーポートの屋根に積もり倒壊するリスクは軽減されます。一方、屋根が平らなフラット型カーポートは、雪が積もるリスクが高いというデメリットこそありますが、風の影響を受けにくいことから、台風・強風が多い地域に向いているカーポートです。そして、積雪が多い地域にはポリカーボネート屋根や折板屋根など、素材自体の強度が高いカーポートがよく設置されています。

 

火災保険の風災補償・雪災補償の適用は?

 

カーポートは住居から離れているために、火災保険が適用されないのでは?と思うかもしれませんが、一般的な火災保険においては、カーポートは建物の付帯物とみなされ「建物」という補償対象の括りとして認められています。そのため、カーポートが自然災害により被害を受けた時は、火災保険の補償の対象となります。カーポートでよく被害が出る火災保険における風災補償・雪災補償の適用条件を確認しておきましょう。

 

火災保険は破損した部分しか認定されない

 

火災保険は、住まいの総合的な損害保険です。その補償対象となるのは、住宅そのものである「建物」(カーポートのような付帯物を含みます)と、建物の中にある家電などの「家財」の2つです。火災保険の契約時に、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」という3種類の補償対象を選ぶことができますが、「家財のみ」の契約にするとカーポートに被害が出た時に補償対象になりません。

ここで注意しておきたいのは、火災保険は火災や自然災害による被害に対して補償してくれるものですが、経年劣化については補償されないという点です。経年劣化とは、時間の経過により特に原因もなく劣化していくことで、当たり前の話ですが損害保険で補償されるものではありません。つまり、火災保険の申請をした時に、自然災害による被害ではなく経年劣化と認められた場合、火災保険の補償の対象にはなりません。