外壁の種類と修理

外壁の種類と修理

自然災害のよる被害や経年劣化など、外壁の修理をしたいと思っている方は少なくないでしょう。
しかしながらどれくらい費用がかかるのか、自分で直せるのか、など様々な疑問が浮かんでいるかもしれません。
そこで今回はそもそもなぜ外壁の修理が必要なのか、そして外壁の種類をまとめました。

 

 

まず、外壁に損傷がある場合は必ず修理が必要になるという原則があります。
この損傷とは、経年劣化・自然災害など原因に関わらず、外壁にひび割れや欠損が生じていることをいいます。
なぜ修理が絶対必要なのかというと、損傷を放置しておくと外壁そのものの劣化の進行はもちろん、住宅全体のその被害が広がっていってしまうからです。
最終的には、基礎部分が腐食しその住宅に住むのが難しくなってしまうかもしれません。
外壁に損傷があると、そこから雨水が浸入し内部を侵食してしまうのです。
住宅の寿命を少しでも伸ばすためには、外壁の損傷がない状態に保っておくことが大切なのです。

 

外壁の種類まとめ

 

では、外壁にはどのような種類があるのでしょうか。

 

●窯業系(ようぎょうけい)サイディング

窯業系サイディングとは、セメントと繊維質・無機物を混入して板状にして養生・硬化させた外壁材のことです。現在では、全体の7~8割の住宅が窯業系サイディングを使用しているといわれています。

 

●金属系サイディング

金属系サイディングとは、ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの鋼板が使用されたサイディングで、窯業系サイディングよりも長期間メンテナンスが不要なのがメリットです。
鋼板製の表面は水分を吸収しないことから耐凍害性にも優れているので、特に寒冷地で盛んに使用されています。

 

●木質系サイディング

木質系サイディングは、その名の通り天然の木に塗装をして仕上げたサイディングです。

本物の木にしか出せない温かみがあること、木目がそのままデザインになることから二枚として同じデザインがないことがメリットです。
また、断熱性能にも優れています素材です。

 

●樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、日本ではまだあまり馴染みがないようですが、アメリカではすでに50%を越えるシェアを誇っています。

劣化しにくいのが一番の特徴で、塩害や凍害などの耐候性も優れています。
また、シーリングを使用していないことから目地の補修が不要です。
そして、窯業系サイディングの1/10以下という軽さなので、今の外壁の上から取り付けても問題ありません。

 

●モルタル

モルタルとは、「ラス」という針金の網などの上に、砂・水・セメントを混ぜて練り上げたモルタルを左官コテで塗りつけた外壁材で、日本では1980代までは主流になっていた素材です。
しかし、施工に手間がかかることから最近では使用頻度が減少傾向にあります。
とはいえ、外壁塗装が必要な家屋ではまだまだモルタルが活用されています。
模様の造り方には4種類あり、名前や性能が異なっています。

 

●ジョリパット

ジョリパットとは、モルタルの上に施工する外壁材で、フランスで開発されました。
砂と塗料を混ぜて作ることから、表面がザラついているのが特徴です。
また、安価で耐候性・防汚性に優れ色あせしにくいことから、多くのカラーバリエーションが存在し、仕上げ方法も豊富です。

 

●吹き付けタイル

吹き付けタイルとは、表面が凸凹になるように異なる種類の塗料で3層にする複層仕上げのことです。
仕上げの方法には、「中粒仕上げ」と「押さえ仕上げ」があり、それぞれ模様が違います。
このタイルは「ボンタイル」「玉吹き」とも呼ばれています。

 

●リシン

リシンとは、薄付け仕上げ塗材と呼ばれていて、表面に細かい砂粒がありザラついていて艶がありません。
仕上げ方法の中では一番安価です。

 

●スタッコ

スタッコとは、厚付け仕上げ塗材と呼ばれるもので、リシンを厚くしたものです、5~10mm程度の厚さで吹き付けるもので、素材もリシンと同じです。
セメント系とアクリル系のものがありますが、現在はアクリル系が主流で弾性スコッタと呼ばれる素材はモルタルの弱点であるひび割れを起こしづらくする効果があります。

 

●ALC

ALCとは「軽量気泡コンクリート」のことで、通常のコンクリートの「耐久性は強いが重い」というデメリットを克服した重さが約4分の1の軽いコンクリートです。

 

●RC

RCとは「鉄筋コンクリート」のことで、正式名称は「Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)」です。
コンクリートは圧縮の力には強いのですが引っ張られる力には弱いというデメリットがありますが、鉄筋を入れることでこのデメリットを克服したのがRCです。

 

●レンガ

粘土や頁岩・泥を型に入れて、窯で焼き固めて作る外壁材がレンガです。
レンガの寿命は、メンテナンスをしなくても100年以上持つといわれていますが、実際のところは、欠損したり色褪せが起こったりするので全くメンテナンス不要というわけにはいきません。
レンガの塗装自体は可能ですが、通常の塗料ではなくクリヤー塗料を使うことで、レンガ独特の風合いを残すことができます。

 

●タイル

粘土・陶土・長石・石英などを砕き、成型し高温で焼き固めた外壁材がタイルです。
製法としては“湿式”と“乾式”の2種類がありますが、現在は乾式が主流となっています。
また、吸水率の違いによって「陶器質」「磁器質」「せっ器質」の3種類がありますが、外壁には吸水率の低い磁器質とせっ器質を利用します。

 

●漆喰

漆喰は、水酸化カルシウム・炭酸カルシウムが主成分の外壁材で、日本では古くから城郭・寺社・民家・土蔵などで盛んに使用されてきました。
民家においては、瓦や石材の接着や目地の充填、外壁や室内の施工で活用されています。

 

●板張り

板張りは、“下見板張り”や“羽目板張り”とも呼ばれ木材を使った外壁材です。
日本の住宅では、古くから水の浸入を防ぐために板張りを活用してきました。
原材料としてはヒノキ、マツ、スギなどが使用され、断熱性・調湿性ともに高いというメリットがあります。

 

外壁の具体的な破損内容と修繕方法

 

このように外壁には様々な種類があることから、自分で修理するというのはできないことではありませんが、プロに任せた方が安心であることには間違いありません。被害の状態や住まいの大きさなど、様々な条件によって修理費用は変動します。

また、火災保険が活用できることがあります。しかし、火災保険は自ら申請しない限り補償を受けることができないので、まずは火災保険の加入の有無を確認し、加入している場合は保険証書をチェックしてみましょう。
適用条件や補償内容が書かれていますので、該当する自然災害による損傷がある場合、火災保険で修理を行うことができます。